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団地再生プロジェクト(2日目)
本日はライネフェルデ市二日目の視察です
街はカーニバル一色のなか、視察です。

余談ですが、金曜日くらいからドイツ国内はカーニバルムードなのですが
カーニバルでは、ドイツの女性が男性のネクタイを切ることが慣習としてあるそうで、実際、以前、学会に向かう日本の大学の教授の一団が、必死で止めたのにネクタイを切られたことがあったそうです。
我々もカーニバル的集団を見ると冷やっとネクタイを隠す日々です。

「ベルリンの壁崩壊」前は、90%がパネル工法といわれる、画一的な建築方法で建てられた団地で、このタイプの団地は モダンだとして大人気だったそうです。しかしながら壁崩壊後、半年で6000人もの急激な雇用減に伴う人口流出がおこり、また西側のような家へのあこがれから、退去者が多数発生し大きな社会問題となったようです。

そのなかで、まずは、外装のみを塗り替え少々入口の構造を変えたものが初期の団地再生で、「刷毛(はけ)再生」と言うそうです。


その後に、少し質の高い再生がでてきました。


日本庭園を設置したり、バルコニーまで部屋を拡張しその先にバルコニーを新たに設置する等々、「オープンビルディング」と言われる市民とのワークショップ的な協働作業を通して、画一的な団地から市民ニーズに応じた多様な団地へと変化をしていきました。

特に面白いとおもったのは上記の写真の3枚目で、団地の1階部分に庭を設置したことです。
日本でもそうですが、防犯等の理由から、1階部分はもともと入居希望者が少なかったそうです。しかし、庭を背地したことによって、防犯機能が高まった、また一戸建てのように個人で庭を持つということができるといったことから、現在は希望者が殺到しているそうです。



また、学校も、旧の通路部分を教室に取り込んでしまい、その先に廊下を増築し、フランクフルトで見たパッシブハウスのようにエネルギーを取り込む構造にしてあります。過去の学校の写真を見ましたが非常に無機的な学校だったものがここまで明るい学校になっていてびっくりでした。
余談ですが、フランクフルトでも聞いたのですが、ドイツでは小学校が昼までしかないため、体育というものが学校では行われず地域のスポーツクラブで子供たちも運動を行うそうです。その為、学校に運動場が併設されておらず驚きました。


市役所に戻って、財政担当の方からもヒアリングをすすめました。

この地域の再開発の資金は、総事業費が約1億6400万ユーロ(約250億円)かかっており、主にハノーバーの都市博覧会の時の資金やEUの資金によるところが多いようです。
堺で団地を建て替えるとすると、その建て替え負担は現在では、行政から基本的に資本投下されない為、高層化する等して新たに収入源を作らないといけないという現状があります。これに対して、ライネフェルデはそういった外部資金が投入され(ライネフェルデ市は殆ど負担していない)改築をすすめることができました。そういった意味では堺市において、直接導入することができる施策とは言い難いのですが、参考になることは多いと思います。

実際、潤沢な資金投下の為なのか無駄な公共事業と思えるものもありました。

団地の中央にあるスポーツ施設で素晴らしい温水プールの施設です。
市が赤字補填しているのですが、約25万ユーロ(約4000万円)
年間でかかっているそうです。これは非常にいい施設なのですがこのような無駄な公共事業は本当に必要なのかなと思って、思わず、「このような赤字が多いことは市の予想の範囲内だったのですか?」と聞いたら「想定の範囲内だ」ということでした。

さて、夜はライネフェルデからドイツ国鉄にのってカッセルにて乗り換えICEにて懐かしいフランクフルトに戻りました。
途中、ドイツ国鉄の在来線の車両においては2両か3両おきに、
写真のような自転車置き場がありました。
路面電車のみならず一般の電車でも自転車を普通に載せています。
日本と違って改札がなく車内で検札をする制度をとっているため
(無賃乗車は日本の何十倍も罰金を取られる)、ホームに自転車を持ち込みやすいという理由もあるのですが、予想以上に自転車を活用した交通体系です。余談ですが、改札がないドイツ国鉄の駅は、多くの駅で駅を民間に売却することが検討されているそうです。



これは、本日、ライネフェルデ市南地区の団地の中心部にあるゼロエネルギーハウスというコミュニティセンターのようなところでとった昼食です。パンはないのですがジャガイモが主食だそうです。豚肉や豚足、トンカツなどドイツ人にとってはバリエーションでも日本人にとっては、ほぼ同じです。最初のうちは面白がってたべていたのですが、今回コスト削減の為、食堂みたいなところを中心に食事をしているため、現地の味付けそのもので、少し疲れてきました。日本に帰ったら当分洋食は食べたくなくなると思います。

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